不良狼の一途な溺愛
なんか…不思議。
蓮君の言葉、口調は荒々しかったのに…胸がジワッと温かくなった。
なんだろう、この気持ち。
上手く例えられない感情に戸惑っていると、蓮君は私の手を握った。
「柚、行くぞ。」
「行くって…どこに?」
蓮君、行きたい場所を思いついたのかな…。
そう思ったけれど、返ってきた言葉は予想とは違うものだった。
「さっきの店に戻るんだよ。」
「あのお店に…?」
「ああ。柚、あのストラップ…買おうとしてたじゃねぇか。」
あっ…。
そう言えば、さっきストラップを買おうとした時に、女の子が次々と蓮君に駆け寄ってきたから、買えずじまいだったんだっけ…。
そのこと、覚えていてくれたんだ…。
それに、わざわざ私のためにお店に戻ってくれるなんて……。
優しいな…蓮君。