不良狼の一途な溺愛
ん…?
そう言えば……
待ち合わせ場所に少し遅れた時も、怒るどころか心配してくれてた。
歩くスピードも、私に合わせてくれてたし…
お昼だって、私が行きたかったカフェに入るために、長時間…怒らずに並んでくれた。
それに、色んな場面で笑顔だったよね…。
蓮君、私に対して…やけに優しいような気がする…。
私のことを気に入らない奴だ…って思ってるんじゃなかったっけ?
だって、初めて会った時に、私…蓮君を睨みつけちゃったし、勝手に傷口の手当てをしたり、声も荒げたりした…。
かなりイライラさせるような行動をとった気がする。
それなのに、なぜ?
疑問に感じていると、蓮君は握っている私の手を軽く引っ張った。
「柚、モタモタしてるとストラップ…売り切れるかもしれねぇぞ。」
「あのっ…蓮君!」
私は歩きだそうとする蓮君に、咄嗟に声を掛けた。