不良狼の一途な溺愛

ん…?
そう言えば……


待ち合わせ場所に少し遅れた時も、怒るどころか心配してくれてた。


歩くスピードも、私に合わせてくれてたし…


お昼だって、私が行きたかったカフェに入るために、長時間…怒らずに並んでくれた。


それに、色んな場面で笑顔だったよね…。


蓮君、私に対して…やけに優しいような気がする…。

私のことを気に入らない奴だ…って思ってるんじゃなかったっけ?


だって、初めて会った時に、私…蓮君を睨みつけちゃったし、勝手に傷口の手当てをしたり、声も荒げたりした…。


かなりイライラさせるような行動をとった気がする。


それなのに、なぜ?


疑問に感じていると、蓮君は握っている私の手を軽く引っ張った。


「柚、モタモタしてるとストラップ…売り切れるかもしれねぇぞ。」


「あのっ…蓮君!」


私は歩きだそうとする蓮君に、咄嗟に声を掛けた。



< 160 / 364 >

この作品をシェア

pagetop