不良狼の一途な溺愛
「そ、そんなの違って当たり前だろ!柚は特別なんだから。」
「と、特別…?」
あれ?
その言葉、前にも蓮君から聞いたことがあったような……。
いつだったかな…と記憶を辿っていると、蓮君は向かい合うようにして立った。
「この際だから、ハッキリ言っておく。」
今までにないくらいの真剣な表情。
私の体は、その迫力に圧倒されて、強ばってしまった。
「俺は、お前のこと……」
私を真っ直ぐ見つめながら、話し始めた蓮君。
どんな言葉が続くんだろうか…。
緊張しながら耳を傾けていた時だった。
「あーっ!蓮じゃねぇか!!それに柚ちゃんも!」
えっ…!?
こ、この声は…。
声の聞こえてきた方に視線を向けると、手をブンブン振りながらダッシュで近付いてくる陸都君の姿が映る。
あっという間に私たちの傍までやって来た陸都君は、横から私にガバッと抱きついてきた。