不良狼の一途な溺愛
「ちょっと、陸都君っ!?」
なんで、抱きついてくるのっ!?
突然の行動にビックリした私は、解放してもらうべく必死に体を捩るけれど、陸都君は離れてくれない。
ここは、バシッと“離して!”と言った方が効果あるかな…?
そう思った時、何やら冷たい視線を感じて背筋がゾクッとした。
「おい、陸都。てめぇ…馴れ馴れしく柚に触るんじゃねぇよ。すぐに離れろ。」
恐ろしいほど低い声。
蓮君におそるおそる視線を向けると、鋭い目つきで陸都君を睨んでいた。
「悪い悪い。柚ちゃんって小柄でフワフワした感じで可愛いからさ、ついつい抱きしめたくなるんだよね…。」
ハハハ…と笑いながら私から離れた陸都君に、蓮君の眉がピクリと上がる。
表情や雰囲気から察するに、相当…お怒りのようだ。
「お前、俺にケンカ売ってんのか?」
えぇっ、ケンカ!?
物騒な言葉が飛び出してきたので、私はビクビクと体が震えてきてしまった。