不良狼の一途な溺愛
男の子たちは蓮君を見るなり、背筋をピンと伸ばす。
「蓮さん、お久しぶりです!!学校が違うと挨拶する機会もなかなか無くて、申し訳ないです!!」
みんなで一斉に頭を下げた。
見事な揃いっぷりにはビックリしてしまう。
この人たち、他校の生徒か…。
さっき、街中で男の人たちに絡まれた時も思ったけど、蓮君の影響力って本当に凄い。
ケンカしてるところを実際に見たことはないけど、相当な強さなんだろうな…。
ハハ…と苦笑いを浮かべると、陸都君がアタフタしながら駅の方面を指差した。
「そうそう!俺たち、これからカラオケしようと思ってさ、コイツらと店に行く途中だったんだよ。公園を通り過ぎようとしたら、蓮と柚ちゃんの姿が見えたから、傍まで来たってわけ。」
へぇ…。
そうなんだ…。
それで、私たちに声を掛けたのね…。
いきさつを聞いて納得していると、陸都君は言葉を続けた。
「良かったら、蓮と柚ちゃんも一緒に行かねぇか?」