不良狼の一途な溺愛

「それより、俺の方こそ悪かったな…。柚のこと…そっちのけで陸都に怒りをぶつけてた…。」


「そ、それはいいけど…あのあと、陸都君と殴りあいとかしてないよね…?」


「してねぇ。でも、シッカリ言っておいた。俺の気持ち。」


「えっ、蓮君の…気持ち?」


それって、陸都君に対する友情の深さとか…そういった類いのものかな?


首を少し傾げて考える私を蓮君はジッと見つめた。


「柚。」


「な、何?」


急に名前を呼ばれて、ビクッと体が震える。


瞬きを繰り返す私の耳元に、蓮君は唇を寄せた。


「昨日の話の続き、今日は…ちゃんと言う。放課後、あの屋上で。」


真剣な声で囁かれ、私はコクコクと頷いた。


昨日の続き…かぁ。


どんなことを言われるのか分からないだけに、今から緊張し始めている私がいた。



< 175 / 364 >

この作品をシェア

pagetop