不良狼の一途な溺愛
「それより、俺の方こそ悪かったな…。柚のこと…そっちのけで陸都に怒りをぶつけてた…。」
「そ、それはいいけど…あのあと、陸都君と殴りあいとかしてないよね…?」
「してねぇ。でも、シッカリ言っておいた。俺の気持ち。」
「えっ、蓮君の…気持ち?」
それって、陸都君に対する友情の深さとか…そういった類いのものかな?
首を少し傾げて考える私を蓮君はジッと見つめた。
「柚。」
「な、何?」
急に名前を呼ばれて、ビクッと体が震える。
瞬きを繰り返す私の耳元に、蓮君は唇を寄せた。
「昨日の話の続き、今日は…ちゃんと言う。放課後、あの屋上で。」
真剣な声で囁かれ、私はコクコクと頷いた。
昨日の続き…かぁ。
どんなことを言われるのか分からないだけに、今から緊張し始めている私がいた。