不良狼の一途な溺愛
なぜなら、視線の先に映るのは、早崎さんと取り巻きの数人の女の子たちだったからだ。
「久しぶりね。」
「あっ、はい…。」
ニコッと笑みを浮かべる早崎さんだけど、目が全然笑ってない。
その表情に、嫌な汗が背中をつたった。
な、なんか不気味…。
前みたいに、あからさまに怒りの声をぶつけてきた時とは違う雰囲気だ。
蓮君が警告して以来、早崎さんたちが私の前に姿を見せることはなかった。
蓮君と話すところも見ていない気がする。
それなのに、どうして突然…私のところに来たんだろうか…。
疑問を抱きながら固まっていると、早崎さんは私の傍に近付いてきた。
「ちょっと付き合ってもらえる?」