不良狼の一途な溺愛
た、大切な存在…!?
私って、気に入らない存在として蓮君に目をつけられてるんじゃないの…?
初めて会った、あの日からずっと…。
そう思ってきたんだけど、違うの…!?
一人で混乱していると、早崎さんからは、涙をすする音が聞こえてきた。
「お、おかしいわよ…そんなの。蓮、こんな女のことより、もっと私を見てよ!!」
「こんな女…だと?」
蓮君はグッと眉をしかめる。
「お前は…柚の何を知ってるわけ?」
「………っ。」
言葉に詰まる早崎さんを、蓮君は凄みのある目で睨みつけた。
「これが最終警告だ。もう二度と柚に近付くんじゃねぇ。今度、近付いたりしたら…女でも容赦しねぇからな。」
恐怖を感じるほどの冷たいオーラ。
手で拳をつくる蓮君から、早崎さんは何歩か後退りをした。
「蓮のバカッ!!もう知らないっ、勝手にすればっ!!」
そう叫ぶと、私たちに背を向けて勢いよく走って行く。
取り巻きの女の子たちも、早崎さんの後を追うように去っていき…
あっという間に、私と蓮君の二人だけになってしまった。