不良狼の一途な溺愛
「蓮君が悪いわけじゃないんだし、謝らないで?本当に私は大丈夫だから。あの…来てくれて、ありがとう…。」
助けてもらったことに、素直にお礼を言うと、蓮君はゆっくりと体を離した。
心なしか、頬が赤くなっているように感じる。
どうしたんだろう…?
ジッと見つめると、蓮君は慌てて私の膝に視線を落とした。
「そ、そうだ。この傷口、早く消毒して手当てしないとな。」
「あっ…。」
そう言えば、転んだ時に膝を擦り剥いたんだっけ…。
私も血が出ている傷口に視線を向けた。
「保健室、行くぞ。」
「い、いいよ…。ケガって言っても大したことないし、私…絆創膏を持ってるから。」
制服のポケットから絆創膏を出そうとした瞬間、蓮君に腕をギュッと掴まれた。
「ちゃんと消毒しておかねぇと、もっと傷口が痛むかもしれないだろ?ほら、行くぞ。」
ここまで促されたら、断れない。
コクンと頷くと、蓮君は片手を私の膝の下に差し込んだ。