不良狼の一途な溺愛
「あ、あの…」
「は?」
「一応、確認なんですけど、あなたは紫堂 蓮さん…でしょうか?」
「そうだよ。だから、何?」
ひぃぃぃっ!!
めちゃくちゃ怒ってるよ…!!
眉間に深くシワを寄せる紫堂君に、私はビクビクと体を震わせた。
最強の不良と名高い紫堂君に、こんな形で会ってしまうなんて…不運すぎる。
ヤバイ…。
私、さっき怒りの声をぶつけちゃったよ…。
しかも、思いっきり睨みつけちゃったし…。
マンガ本まで投げつけなくて良かった…と思いながらも、背中には恐怖で冷や汗がつたっていた。
どど、どうしようっ!!
このままじゃ、危険だよね…。
とりあえず、この場から逃げなくちゃ!!