不良狼の一途な溺愛
「染みると思うけど、ちょっと我慢しろよ?」
「うん…。」
蓮君は私の傍にしゃがんで、傷口を消毒していく。
とても手慣れた様子に、痛みを忘れて見入ってしまった。
普段からケンカでケガすることが多いだろうから、手当ても慣れてるのかなぁ…。
さすが不良…と感心しているうちに、蓮君は大きな絆創膏を優しく貼ってくれた。
「あっ、ありがとう…。」
「お、おう。」
クシャッと頭を掻く蓮君は、なんだか照れているように見えた。
「そ、そう言えば…どうしてあそこに来てくれたの?」
ふと、頭の中に疑問が浮かんだ。
あの場所に私が居るなんてこと…蓮君には分からなかったよね?
携帯電話で助けを求めたわけじゃないのに……。
「あれは…直感。」
「えっ?」
蓮君の答えに驚きの声を上げてしまった。