不良狼の一途な溺愛
その笑顔にドキッと胸が高鳴る。
とても穏やかな眼差しが注がれる中、私の脳裏には不意に先ほどの蓮君の言葉が浮かんだ。
「蓮君、あの…さっき早崎さんたちに言ってたことなんだけど……」
「さっき?」
「わ、私のこと…“何よりも大切な存在”って…」
言ってるうちに、恥ずかしくなってきて声のボリュームも小さくなっていく。
顔を俯けると、蓮君は私の手をそっと握った。
「言っとくけど、あれは本音だから。」
「えっ!?」
「本当は昨日、柚に言おうと思ってたんだけどな。」
驚きのあまり、私は顔を上げた。
そ、その言葉を昨日…私に言うつもりだったんだ…。
……………。
ひゃあああ!!
ジワリと頬が熱くなる。
途端にソワソワと落ち着かなくなってしまった。