不良狼の一途な溺愛
「れっ、蓮君は私が嫌いじゃないの…!?」
「は?」
「気に入らないとか、気に食わないとか…そういう感情を抱いてたんじゃないの!?」
「……はあっ!?」
蓮君は目を大きく見開いた。
「ちょっと待て!!なんでそう思ってたんだよ!!」
蓮君は、みるみるうちに不機嫌そうな表情へと変わっていく。
迫力ある眼差しが、かなり怖い。
「は、初めて会った時に色々と失礼なことしちゃったから……。」
「何が?」
「それは……」
チラチラと蓮君を見ながら、私は説明し始めた。
マンガ本が頭に落ちてきた後、蓮君を睨んだことや、その本を持ち帰りそうになったこと、勝手にケガを手当てしたりしたことなど。
思い当たることを全て打ち明けた。
「それが、失礼なことだって思ってたのかよ。」
「う、うん…。」
コクコク頷くと、蓮君はハァァ…と盛大な溜め息をついた。