不良狼の一途な溺愛
「どうりで俺と居る時は…ビクビクしたり、戸惑ったりしてることが多かったわけだ。」
「蓮君に目をつけられてるんだと思ってたの…。だから、私に笑顔を見せたり、優しくしてくれたりするところ見た時に“あれ?どうして?”って疑問に感じて……」
「なるほどな。昨日の俺への質問には、そういう経緯があったわけか。よく分かった。」
納得した表情を浮かべた蓮君だったけど、また大きな溜め息を零す。
ガックリと肩を落とす姿を見ていたら、なんだか申し訳ない気分になってきてしまった。
「ご、ごめんなさい…。」
「いや、別に謝ることじゃねぇよ…。柚は誤解してただけなんだから、それを解くまでだ。」
蓮君はフッと笑った。
「最初は、変なヤツだな…って思った。落としたマンガ本のことで、怒って睨んだりしてたのに、俺の名前を確認するなり怯え始めたからさ。」
「や、やっぱり……。」
なんだか怪訝そうな表情してたもんなぁ…蓮君。
急に態度が変わった私を、不審に思うのは無理ないよね…。
「でも、傷を手当てしてくれたのは、驚いたけど…嬉しかった。」
「えっ?」