不良狼の一途な溺愛
「…………。」
ビックリして声を出せずにいる私に蓮君は話を続ける。
「もっと柚のこと知りたくなって、お前の隣に席を移動したし、放課後は屋上に来てもらうようにした。一緒に時間を過ごす度、どんどん気になって…惹かれて、それで…デートにも誘った。」
そ、そんな風に思っての行動だったなんて全く分からなかった…。
私、かなりの誤解をしていたんだ…。
口を開けたまま固まっていると、蓮君は私の手を強く握った。
「お前のこと、嫌いなんかじゃねぇよ。」
蓮君は真剣な眼差しで私を見つめる。
澄んだ瞳に吸い込まれてしまいそうな気がした。
「俺は……」
蓮君が口を開いた瞬間、保健室の扉がガラッと音をたてて開いた。