不良狼の一途な溺愛
驚いて扉の方に視線を向けると、中に入って来たのは保健室の先生だった。
「まあまあ、あなたたち…どうしたの?」
目を丸くして近付いてくる先生。
蓮君も気まずそうな笑みを浮かべながら、私の手を離して立ち上がった。
「あの、ちょっと転んでケガしてしまって……」
「そうだったの。大丈夫…?」
心配そうな面持ちで、私の傍にスタスタと近付いてくる先生に、コクンと頷いた。
「は、はい。勝手に道具をお借りして消毒して絆創膏…貼ってしまいました…。」
「そっか…。不在にしていて、ごめんなさいね。会議で職員室に行ってたものだから…。」
「い、いえ…。それほど大したケガじゃないので大丈夫です。」
ニコリと笑顔で返すと、蓮君が私の頭にポンと手をのせた。