不良狼の一途な溺愛
「もしかして、緊張してんのか?」
「えっ…」
「なんか、表情が強張ってる。」
フッと可笑しそうに笑う蓮君にビクッと体が跳ねた。
うっ…鋭い。
確かに、私…緊張してる。
だって、蓮君の隣を歩くのは、なんだか妙に緊張するんだもん…。
特に今日は、傘の中に二人だし…。
この状況で、密着するぐらい傍に近づくなんて無理だよ無理!
そんなことしたら、ガチガチに固まりそう…。
「リラックスしろよ。昨日は、ピッタリ触れ合ってただろ?」
蓮君は口の端を上げてニヤリと笑う。
私の頭の中には、昨日…カフェで並んだ時のことが蘇っていた。
「あっ、あれは…蓮君が引き寄せたんでしょ!?わわ、私から近づいたわけじゃないもん…!」
カァッと顔に熱が集まってくる。
アタフタしながら否定すると、蓮君は吹き出すように笑った。