不良狼の一途な溺愛
「柚、どうした?顔、赤くなってるけど…。」
「えっ!?」
突然、蓮君から指摘され、ビクリと肩が上がってしまった。
ドクンドクン…と心臓の音がうるさくなっていく。
体中にジワジワと熱が広がっていく感覚がした。
「熱があるんじゃねぇか?」
私の額にスッと伸びてくる蓮君の大きな手。
まさか、熱を測るの!?
そんなことされたら、もっと赤くなりそう…。
そう思った私は、慌てて額を自分の両手で覆って、彼の手が触れないように妨げた。
「だだ、大丈夫!額も熱くないし平熱だよ平熱っ!」
「自分で触ってもわからねぇだろ?」
「わ、分かるよ!だって私…至って元気だし。」
とびっきり明るい声で、熱がないことをアピールしたけれど、蓮君からはジーッと疑いの眼差しが向けられる。
納得していないみたいだったけど、私は構わずに歩くスピードを速めた。