不良狼の一途な溺愛
「今日は誤解も解いたことだし、これからお前の心…俺に振り向かせてやる。」
私の唇をスッとなぞった蓮君は、照れくさそうな表情を浮かべる。
「じゃあ、またな…。傘、お前に返す。」
そう言って私の手に持たせた。
「家が直ぐそこ…って言っても、傘がないと濡れるだろ?俺は走って帰るから平気だ。」
優しい笑みを溢した蓮君は、傘を出ると、勢いよく走っていく。
私は、その後ろ姿を見つめた。
蓮君に…
告白…されちゃった……。
“好きだ”って、ハッキリと言われちゃったよ…。
頭の中では蓮君の言葉がグルグルと回る。
後ろ姿が見えなくなった後も、私は暫くその場に立ち尽くしていた。