不良狼の一途な溺愛
「嬉しい。」
「へ?」
「俺のこと、意識してくれてるんだろ?だから、嬉しい。」
蓮君、言葉がストレートすぎる…。
何も言えずにいると、蓮君の端正な顔が近付いてきた。
「柚が意識する男は、俺だけにしておけよ?」
真剣な眼差しに、ドクンと大きく心臓が跳ねる。
そっ、そんな瞳で見つめられたら、頭の中が蓮君のことしか考えられなくなりそうだよ…。
刺激の強い言葉に、歩くことも忘れて固まっていると、蓮君は笑顔で私の手をゆっくりと引いた。
「学校、急ぐぞ。柚を遅刻させるわけにはいかねぇからな。」
「う、うん…。」
そういうところまで気にしてくれてるのか…。
ちょっと驚きながら、私はおぼつかない足取りで再び歩き始めた。