不良狼の一途な溺愛

「柚。」


「な、なんでしょうかっ!」


半端ないドキドキのせいで、声が裏返る。


おかげで、変な言葉遣いにまでなってしまった。


「今日は放課後だけじゃなくて、昼休みも屋上で過ごす。だからそのつもりでいろ。」


「ということは、お昼…一緒に食べるの?」


「当たり前だ。」


キッパリと答えが返ってきてしまったので、それ以上は何も言えなかった。


これまで放課後ぐらいしか行くことのなかった、あの立入禁止の校舎の屋上。


今まで昼休みに関しては、特に“来い”とは言われてなかったから、学校で蓮君と昼食を食べたことは無い。


まさに初めてだ。


放課後のみならず、お昼も二人きりになっちゃうよ…!!


どうしよう、どうしよう…と心の中で叫んでいると、蓮君の吐息が私の耳にかかった。



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