不良狼の一途な溺愛
「それから、俺…今日は全部の授業に出るから。」
「えぇっ!」
目を見開く。
お昼ご飯を一緒に食べることにも驚いたけど、今の発言には、それ以上の驚きがあった。
これまで、蓮君が授業を一日通して出席することなんて無かったからだ。
「な、なんで?何かあったの!?早速…単位がヤバイとか?」
「違ぇよ。」
じゃ、じゃあ何だろう?
急に勉強する気力が沸いてきたから…とか?
でも、そんな雰囲気には見えないし……。
うーん、と唸りながら理由を考えていると、蓮君が私のこめかみにキスを落とした。
「そんなの、出来るだけ柚と過ごす時間を増やしたいからに決まってんだろ。」
心なしか頬が赤くなっている蓮君。
照れくさそうな表情に、私の顔も熱が高まる一方だ。
「ほら、さっさと行くぞ。」
蓮君は優しく私の手を引いて歩いていく。
バクバクと鳴り響いている鼓動が私の指先から、蓮君へと伝わってしまいそうな気がした。
うぅ…。
朝から心が慌しく動き過ぎだよ…。
こんな調子で、私の心は一日保つのかな…。