不良狼の一途な溺愛
あっ、そうだ…!
沙織に昼食のこと言っておかなくちゃ…!
いつも一緒に食べてるけど、今日は無理だもんね…。
音をたてないように気を付けながら立つと、沙織の席に向かった。
「あのね、沙織…。」
「ん?どうかしたの?」
「実は…蓮君にお昼休みを一緒に過ごすように言われていて…。だから、申し訳ないんだけどお昼ご飯は……」
途中まで言ったところで、沙織はポンと私の肩に手をのせた。
「ようやく、そこまで進展したのね…!」
「へ?」
「早くそんな日が来ないかなぁ〜って心待ちにしてたのよっ!柚と紫堂君、お似合いのカップルだからさ!」
目を輝かせながら見つめる沙織に、苦笑いを浮かべてしまった。
「か、カップルじゃないんだけど……」
「私のことは気にしなくていいから、紫堂君とのお昼休みを存分に楽しんで来なさいよ!」
「ちょっと、沙織!?」
私の主張に構わず話を進める沙織に、オロオロしていると、何やら背後に気配を感じた。