不良狼の一途な溺愛
「おい、柚。」
聞き覚えのある声に体がビクリと跳ねる。
れ、蓮君だ…。
慌てて振り向こうとしたけれど、それよりも先に蓮君に後ろから抱きしめられてしまった。
「ひゃっ!?」
「急に俺の傍からいなくなるんじゃねぇよ。ビックリしただろうが。」
「ちょっと離れただけなんだけど……。」
「その間に何かあったらどうすんだよ。ったく…。」
な、何もないってば…。
蓮君の過剰な心配っぷりに顔が少し引きつってしまった。
「そ、それより蓮君!この手を離してよ!」
私は視線をお腹の辺りへと落とす。
シッカリと回された蓮君の手をポカポカと叩いた。