不良狼の一途な溺愛
「蓮君…、お弁当が落ちちゃったんだけど……」
「後で拾え。」
「は、早くご飯食べないと、お昼休み終わっちゃう…。」
「まだ昼休み始まったばかりじゃねぇか。そんなに急がなくても大丈夫だろ。」
なんたる強引っぷり…。
私は、ゆっくり昼食を満喫したいのに…。
心の中で不満を漏らしていると、蓮君の指が私の髪を梳いた。
「柚、もう少し…このままで居させろ。」
「えっ…」
「お前に想いを打ち明けた以上、もう俺は…気持ちをセーブしたりしねぇ。」
ドクンッと跳ね上がる心臓に連動して、体が震えた。
また頭の中で、蓮君が告白してくれた場面が再生される。
鼓動がうるさくて、こんなに密着していたら蓮君にも伝わってしまいそうな気がした。