不良狼の一途な溺愛

「あ、あの…」


「ん?」


「“もう少し”って、あとどれくらいなの?」


バクバクと鳴り続ける鼓動の音を紛らわせられればと思い、声を発する。


蓮君は少しだけ間を置いた後、梳いていた私の髪の毛をクルッと指に絡ませた。


「…俺が満足するまで。」


フッと零した笑みがとても優しくて、ひときわ大きく鼓動が波打つ。


何も言えなくなってしまい、顔を俯けようとしたけれど、蓮君の手が私の顎へと添えられて上に向けさせられてしまった。



「俯くなよ。」


蓮君の瞳が私をハッキリと映す。


「その可愛い表情、俺に見せろ。」


「………っ!?」


吐息まじりの言葉に、私の頬には熱が集まってきていた。


かなりの近距離。


この状態でジックリと顔を見つめられるなんて、恥ずかしい…。


恥ずかし過ぎるよ…。


震える唇をキュッと噛み締めた時だった。




“ギギッ”



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