不良狼の一途な溺愛

錆ついた扉の開く音がして、ビクッと体が跳ねる。


視線を向けると、扉の向こうから陸都君と比嘉原君が入って来る姿が映った。


「よっ、蓮〜!今日も元気に昼メシ食べてるか……」


私たちに気付いたのか、陸都君の軽快な声が止まった。


「あ、あれ?もしかして…二人、お取り込み中だった…?」


気まずそうに言う陸都君を、蓮君はギロリと睨みつけた。


「見れば分かるだろ。」


「えっと、俺ら…邪魔?」


「…分かりきったこと聞くんじゃねぇよ。」


みるみるうちに不機嫌そうな表情に変わっていく蓮君だけど、私を離してくれない。


陸都君や比嘉原君に見られてるのにっ…!!


極度の恥ずかしさで、体中が熱くなってしまった。


「蓮君…もういいでしょ?そ、そろそろ離して?」


このまま抱き締められっぱなしじゃ、恥ずかしくて溶けてしまいそうだ。


蓮君の制服をギュッとつまみながら懇願する。


私に視線を戻した蓮君は、うっ…と言葉を詰まらせた。



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