不良狼の一途な溺愛
ひょっとして、蓮君…照れてる?
顔も赤くなってるのかな…。
気になった私は、蓮君の表情を見ようとして正面に立とうとしたけれど…
「今は俺の顔…見るな。」
慌てた様子で背を向けられてしまった。
やっぱり、顔が赤くなってるんだ…。
そう確信した私は、なんとか見ようと奮闘したものの、蓮君は断固として見せてくれない。
「ダメだ、見るな。」
その一点張りだ。
「蓮君、ズルい。私が赤くなった顔はジックリ見るくせに…。」
なんだか不公平…。
「ゆ、柚は…可愛いからいいんだよ。俺の場合は…恥ずかしくて見せられたもんじゃねぇ。」
そう言った蓮君は、屋上のフェンスの方へと背を向けたまま歩いて行った。
そんなに真っ赤になってるのかな…。
かなり照れている様子の蓮君に、微笑ましさを感じてしまった。