不良狼の一途な溺愛

ま、まあいっか。


無理強いすると、本気で怒りそうだもんね…。


蓮君の顔を見ることを諦めた私は、落とした状態のままになっていたお弁当入りの小さなバッグを拾い上げた。


今のうちに、お昼ご飯を食べよう…。


お昼休みの時間も限りがあるし…。


適当に座り、バッグから取り出したお弁当を広げる。


お母さんお手製の卵焼きやミートボール、アスパラとベーコンの炒め物、そして梅ちりご飯。


どれも美味しそうで、空腹感が更に増していく。


「いただきます…。」


小さな声で言った後、綺麗に焼けている卵焼きを口へと運んだ。


「うん、美味しい!」


自然と笑みが零れてしまう。


次はミートボールを食べようと思い、箸でつまもうとした時だった。



「俺をさしおいて、やけに楽しそうに昼メシ食べてるじゃねぇか、柚。」



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