不良狼の一途な溺愛
気付いた恋心
「はぁ…。」
午後の授業が全て終わり、迎えた放課後。
私は溜め息を零した。
ドキドキが…一向に治まらないよ…。
お昼休みから、かなり時間が経っているというのに、未だ波打つ鼓動の激しさは、勢いを保ったままだ。
こんなこと初めて。
蓮君と一緒にいると、初めて体験するような感情が多い気がする…。
胸元を擦りながら、また小さく溜め息を零した。
「柚…。どうしたんだよ、溜め息ばかり零して。」
隣から飛んできた声に、心がドクンッと反応する。
ゆっくり顔を向けると、蓮君は私の方をジッと見つめていた。
真っ直ぐな眼差しに、心拍数が更に上昇していく。
「あ、えっと……何でもないよ。」
とりあえずそう言ってみたものの、蓮君は私を見つめたままだ。
そ、そんなに見ないでもらいたいんだけど…。
耐えきれなくて、パッと視線を逸らすと、蓮君は私の手を握った。