不良狼の一途な溺愛

中には何が入ってるのかな…?


うーん…と唸っていると、蓮君は私の手首を掴む。


「早く受け取れよ。」


苦笑いを浮かべながら、紙袋を私に持たせた。


「えっと…開けてもいい?」


「ああ。」


頷く蓮君を見てから、私はゆっくりと紙袋を開けた。


「こっ、これって…」


私の口から驚きの声が零れる。


直ぐに紙袋から出して、自分の手のひらにのせた。


中に入っていたのは、チョコマカロンのストラップ。


おととい、蓮君と出掛けた時に一目惚れをして、買いたい…と思っていたものだ。


あの時、女の子たちが蓮君の周りを囲んで凄い騒ぎになったから、買い損ねちゃったんだよね…。


ジッとストラップを見ていると、蓮君はマカロンの部分をツンと軽く突いた。


「実は…デートした日、柚が帰った後にストラップを買うため、あの店に戻ったんだ。」


「う、うそ…。わざわざ買いに行ってくれたの…?」


「ああ。そのストラップ、すげぇ気に入ってるみたいだったから、何としても買おうと思ってさ。」


照れくさそうに笑う蓮君に、胸がキュウッと締めつけられる感じがした。



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