不良狼の一途な溺愛
「…………。」
家に入り、おぼつかない足取りで部屋までやって来た私は、制服も着替えないままベッドに寝転がる。
ついさっき、蓮君からもらったストラップを上にかざして、ゆらゆらと軽く揺らした。
私、今日は朝からずっと蓮君のことばかり考えてたな…。
授業していても、休み時間になっても、頭の中には常に蓮君がいた…。
蓮君と一緒にいると、心臓はバクバクするし、顔なんてカァッと熱くなっちゃう…。
自分でも驚くほど、体や心が過剰に反応するんだよね……。
私は空いている方の手で頬を撫でた。
「まだ熱い…。」
未だに、頬は火照っているかのように熱をもったままだ。
鼓動も凄まじい速さで波打っている。
うぅ…。
蓮君が傍にいるわけじゃないのに、全然…落ち着かないよ。
私は、キュッと唇を噛みしめた。
こんなに慌ただしい気持ち、普通じゃない…。
「……ん?」
私はガバッと勢いよく体を起こした。