不良狼の一途な溺愛
息をきらしながら、ガラガラッと勢いよくドアを開けて職員室に入ると、先生方の視線が一斉に私へと注がれる。
みんな、何事!?と言わんばかりの表情だ。
「御苅、そんなに慌てて走って来なくても、プリント類は無くならないから大丈夫だぞ?」
そんなこと、分かってますってば…。
相変わらず、呑気な風間先生にピクピクと顔が引きつってしまった。
もう…。
先生が、ここまで案内してくれれば、紫堂君に会わずに済んだろうに…。
本当に怖かったんだから…。
小さく震えている手を見ながら、ハァ…とため息を零した。
でも、良かった…。
とりあえず、無事に逃げれたし…。
今日の出来事は…早く忘れよう。
今後は、紫堂君と関わりあうことが、ありませんように…。
私は切に願った。