不良狼の一途な溺愛
「本当は、何か言いたいんじゃねぇのか?」
「えっ!?」
その言葉にギクリと肩が跳ねる。
瞬きを繰り返す私を見ながら、蓮君は不審そうに眉を寄せた。
「何でもない…って感じじゃねぇだろ。昨日も一昨日も、それより前の日も、そんなようなこと…あったし。」
うっ……。
ずっと怪しまれてたのか…。
鋭い指摘を受けて言葉に詰まる私に、蓮君は顔を近付けてきた。
「言ってみ?」
「……っ!?」
澄んだ眼差しが私に向けられる。
端正な蓮君の顔がとても近くにあって、私の心臓は瞬く間に慌ただしくなっていった。
こ、こんなに近距離で促されたら…
余計に緊張感が高まって、パニックになっちゃうよ…!