不良狼の一途な溺愛
「え、えっと……」
発した声が見事に上ずる。
緊張のあまり、唇が小刻みに震えているのが自分でも分かった。
「ん?その続きは?」
蓮君は優しく笑みを浮かべながら、私の唇を指でなぞる。
その瞬間、体にビリッと電流が流れたかのような感覚が襲った。
心臓が今にも破裂しそうなほどバクバクしちゃってる…。
おまけに、極度の緊張で意識まで飛びそうだよ…。
そ、それは恥ずかしすぎるから避けたい。
もはや、告白なんて出来る状態ではなくなってしまった私。
とりあえず何か別の話をして、この場を切り抜けようと思い、思考回路をめいいっぱい稼働させた。
「れ、蓮君っ…。ここ最近、日々の授業を休むことなく出席してるよね…。け、ケンカとか…あまりしなくなったの?」
う、うーん。
なんだか、ちょっと不自然かも…。
そんな考えが過ったけれど、他に言葉が思いつかないので、無理に押し通すことにした。