不良狼の一途な溺愛
突然、名前を呼ばれて顔を上げると、そこには陸都君と比嘉原君が立っていた。
「お、おはよう…。」
ぎこちなく挨拶しながら周りを見回したけれど、蓮君の姿は見当たらない。
陸都くんたちと一緒ではないようだ。
「蓮じゃなくて、ごめんね…。」
「そ、そんな…謝らないで?」
気まずそうな表情を浮かべる陸都君に、私は慌てて首を横に振った。
「あの、今日は蓮君…寝坊?それとも、体調…悪いの?」
早速、蓮君のことを訊ねる。
陸都君たちは、事情を知ってるだろう…と思ったからだ。
「それが……」
陸都君は言いにくそうに声を発すると、比嘉原君と顔を見合せる。
もしかしたら、蓮君…体調がかなり悪いの…!?
高熱が出たとか…?
昨日は元気だったのに。
勝手に想像を膨らませていると、比嘉原君が口を開いた。
「実は、蓮…しばらく自宅謹慎することになったらしいんだ…。」