不良狼の一途な溺愛
「それなら、どうして謹慎のこと…私には電話をくれなかったんだろう…。」
ふと感じたことポツリと小さな声で呟く。
陸都君たち経由じゃなくて、直接…教えて欲しかったな…。
少し心に寂しさが押し寄せた。
「きっと…御苅さんには言い辛いんだよ。大切な人だからこそ、なかなか言い出せないことって、あると思うし…。」
「う、うん…。」
確かに、もしも私が蓮君と同じ立場になったとしたら…なかなか言えない気がする。
相手がどんな反応するのか考えたら、言葉にするのも余計に怖くなりそうだもん…。
蓮君も…
同じなのかもしれない。
「柚ちゃん、そろそろ学校に行こう?このままだと遅刻になっちゃうから。」
「そうだね…。」
理由は分からないままだけど、とりあえず今は学校に行かなくちゃ…。
そう思いながら、私は陸都君たちと一緒に歩き始めた。