不良狼の一途な溺愛
「これから先、停学になる日もやって来たりして。」
「だよな、あり得る。」
「最悪、退学になるかもしれないよな。」
……何それ。
笑いながら話すような内容じゃないよ…。
酷い……。
男の子たちの会話にイラッとした私は、手で拳を作った。
「でさ、今回の謹慎理由…って、一体なんなの?」
「そうだよ、何が理由?万引き?不良同士の大規模なケンカ?」
興味津々そうな視線が一人の黒髪で短髪の男の子に向けられる。
どうやら彼が、蓮君の自宅謹慎のことを、みんなに話した人のようだ。
「それがさぁ……」
一呼吸おいてから、彼は得意げに口を開いた。
「紫堂、女子生徒たちに手を上げたらしいんだ。」