不良狼の一途な溺愛

ちょ、ちょっと待って!?


私は眉間にググッとシワを寄せた。


「そこには他にも何人か女子がいたらしい。みんな恐怖でガチガチに固まってたって言ってた。あっ、そうそう。一人の女は腰が抜けたのか、地面に座りこんでたみたいだぜ?」


「へー、相当ビビってたんだな、女子たち。」


「そりゃそうだろ。なんか、紫堂のヤツ…かなり怒ってたらしいから。俺の友達もあまりに恐ろしい雰囲気で危険を感じて、一度…グラウンドに戻ったって言ってたよ。」


もしかして、今の話…この前、早崎さんたちに体育館裏へ連れていかれた時のことじゃない…!?


手を掴まれたのは早崎さんだし、地面に座りこんでたのは私。


取り巻きの女の子たちは、怒りモードの蓮君に、顔を真っ青にしてたもん…。


時期や場所もピッタリ当てはまってる。


………間違いない。


あの時のことだ。



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