不良狼の一途な溺愛
「わ、私の方こそごめんね……。」
『えっ…』
「謹慎になった経緯、偶然…知ったの。蓮君は…早崎さんたちから私を助けてくれたのに…。わっ、私のせいで……」
『違う。柚のせいじゃねぇよ。』
私の言葉を遮るように、蓮君が声を重ねた。
『お前は何も悪くない。だから、謝ったりするな。』
優しい声が聞こえてきて、私の胸には熱いものが広がっていく。
ジワリと少し視界が歪んだ。
「私、生活指導の先生に本当のことっ…言ってくる。そうすれば、蓮君の謹慎だって…無かったことになると思うし……」
そ、そうだよ…。
先生にシッカリと事情を話せば、誤解だっていうこと…分かってもらえるはずだもん…。
そうとなったら、すぐにでも職員室に行って来よう…。
よし、と心の中で決意を固めていた時だった。
『やめろ…。言いに行ったりなんかするな。』