不良狼の一途な溺愛
「ほ、本当にごめんね…。」
『柚は悪くないから、もう謝ったりするな…。一週間の謹慎なんて、直ぐに終わるからさ。』
「う、うん……。」
コクコクと頷く。
なんとなく、電話の向こうで蓮君が微笑んでくれているような…そんな気がした。
『もっと話したいけど、柚が午後の授業に間に合わなくなっちまうと大変だから切るよ。じゃあ、またな。』
「蓮君、ま…またね。」
ちょっと名残惜しく感じたけれど、ぎこちない声で挨拶をして電話を切った。
あ…。
そう言えば、私…お昼休みなのにお弁当を教室に置いてきちゃった…。
とにかく蓮君と話がしたい…
その一心で、携帯電話しか手にしなかった。
お弁当のことなんて、スッカリ忘れてたよ…。
苦笑いしていると、後ろから“柚ちゃん…”と名前を呼ばれた。