不良狼の一途な溺愛
「蓮、この傷を見た時…すげぇ心配してた。事情を話したら頭にきたらしくてさ、翌日には…アイツ一人で、その先輩たちをシメに行ったんだ…。」
「えっ、一人で!?」
「うん。蓮の強さは半端ないから。」
そ、そんなに強いんだ…。
すごい……。
さすが最強の不良…。
驚きつつ、感心していると今度は比嘉原君が口を開いた。
「俺は、中学の頃…塾の帰りに他校の不良グループに絡まれたことがあったんだ。奴ら、なんか憂さ晴らしをしたかったらしくてさ、俺がちょうどいい相手だったらしい。」
憂さ晴らし…って、恐ろしすぎるよ…。
考えるだけで、ゾッとしてしまった。
「あっという間に逃げ道を塞ぐように囲まれた俺は、“静かな場所でジックリいたぶってやる”って言われてさ、胸ぐらをグイッと掴まれたんだ。多分、人気のない裏通りにでも行こうと思ったんだろうな。」
「それで、ひ…比嘉原君…その人たちに……」
「多分、あのまま連れていかれてたら、間違いなく大ケガしてただろうね…。」
「ということは、もしかして……」
そこまで言うと、比嘉原君はフッと笑った。