不良狼の一途な溺愛
「あの、一つお願いがあるんだけど…」
「ん?何…?」
「蓮君の家の場所、私に教えて欲しいの…。」
「えっ!?」
陸都君は目を見開いて、意外…と言わんばかりの声を発した。
「もしかして…蓮に会いに行くの?」
「う、うん…。えっと、差し入れを持って行ってみようかな…って、ふと思いついたというか…。」
身振り手振りでソワソワしながら説明すると、陸都君の表情は、あっという間に笑顔へと変わった。
「柚ちゃん、結構…積極的なんだね!」
「そ、そう…?」
「うん。狼の家に行ったら最後、翌朝まで帰してくれないかもよ?」
「へ?」
ど、どういうことだろう…?
いくら久々に会うと言っても、そこまで長話はしないと思うけどなぁ…。
キョトンとしていると、比嘉原君が優しく目を細めた。