不良狼の一途な溺愛

そして、翌日の午後。



「じゃあ、行って来るね…。」


「行ってらっしゃ〜い!せっかく紫堂君の家に行くんだから、ラブラブな時間を過ごしてくるのよ〜。」


「…………。」


ハイテンションなお母さんに見送られて、私は苦笑いを浮かべながら家を出た。


もう…。


お母さんってば、盛り上がり過ぎ…。


ラブラブ…だなんて言うから、凄くドキドキしてきちゃったよ…。


私は手から提げている紙袋の紐をギュッと強く握った。


中に入っているのは手作りのマフィン、そして夕食に食べてもらえれば…と思い、お弁当を作ってみた。


外出が出来ないと、食事とか大変だもんね…。


家に一人しかいないんだったら尚更だ。


量も多めに作ったし、いっぱい食べてくれるといいな…。



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