不良狼の一途な溺愛

非常事態


黙々と歩くこと、約20分。


私は比嘉原君が目印として説明してくれた公園のところまで来ていた。


えっと…


このすぐ傍だよね…。


地図と照らし合わせながら見回すと、視界に3階建ての家が映った。


えっ!


もしかして…あの家!?


ビックリして、地図と家を何度も交互に見たけれど、どうやら間違いないようだ。


足早に家の前まで行くと、立派な門扉が構えていて、“紫堂”という表札が出ていた。


や、やっぱりココが蓮君の家なんだ…。


なんだか信じられなくて、私は口をあんぐり開けたまま、家を見つめてしまった。



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