不良狼の一途な溺愛
あれ…?
おかしいなぁ…。
数分経ったけど、何も返事が返ってこないや…。
広いお家だし、もしかしたら聞こえなかったのかも…。
そう思い、もう一度…鳴らしてみたけれど、結果は先ほどと同じだった。
気付いてないのかな…。
ヘッドホンで音楽を聞いてるとか…?
はたまた、うたた寝でもしてるんだろうか…?
あれこれと、勝手に想像を繰り広げてしまった。
「どうしよう…。」
他に気付いてもらえそうな方法は無いかな…。
うーん、と唸りながら考えていた私の頭にパッと携帯電話が浮かんだ。
そうだ、電話をする…っていう手があった…!
私はバッグの中から急いで携帯電話を取り出すと、蓮君の番号へと発信した。