不良狼の一途な溺愛

その声に驚いて勢いよく振り返ると、見知らぬ若い男性が立っていた。


背はスラリと高くて黒髪の短髪。


目鼻立ちも綺麗に整っている。


あ、あれ…?


この人、なんだか蓮君に似ている気が…。


思わずジーッと見つめてしまった。


「どうしたの?俺の顔に何かついてる?」


「あっ、いえ!違います!!すみませんっ!」


すぐに視線を外してペコリと頭を下げた。


私ってば何やってるのよ…。


初対面の人に会うなり、顔をじっくり見ちゃうなんて、失礼だよね…。


申し訳なさを募らせながら顔を上げると、男の人は何かを閃いたかのような表情で“あっ!”と声を発した。



「もしかして、君が柚ちゃん?」



< 301 / 364 >

この作品をシェア

pagetop