不良狼の一途な溺愛
その声に驚いて勢いよく振り返ると、見知らぬ若い男性が立っていた。
背はスラリと高くて黒髪の短髪。
目鼻立ちも綺麗に整っている。
あ、あれ…?
この人、なんだか蓮君に似ている気が…。
思わずジーッと見つめてしまった。
「どうしたの?俺の顔に何かついてる?」
「あっ、いえ!違います!!すみませんっ!」
すぐに視線を外してペコリと頭を下げた。
私ってば何やってるのよ…。
初対面の人に会うなり、顔をじっくり見ちゃうなんて、失礼だよね…。
申し訳なさを募らせながら顔を上げると、男の人は何かを閃いたかのような表情で“あっ!”と声を発した。
「もしかして、君が柚ちゃん?」