不良狼の一途な溺愛
「蓮が柚ちゃんを見て、どれだけ喜ぶのか、すごく楽しみ。」
門を開けたお兄さんの後に続いて、私も中に入った。
「ちょうど、お兄さんが来て下さって良かったです…。蓮君、寝てるみたいなので。」
「えっ?」
「インターホン鳴らしても、携帯に電話しても出なくて…。だから、どうしようか考えていたところだったんです。」
本当に、ありがたい。
感謝の気持ちを抱いていると、お兄さんは何やら不思議そうに首を傾げた。
「あれ?おかしいなぁ…。さっき、俺が電話した時には、蓮のヤツ…すぐに出たのに。それに、特に眠そうな感じじゃなかったんだけどな…。」
「えっ…」
「でも30分ぐらい前のことだし。眠くなって寝てるのかも。」
「そ、そうですね…。」
お兄さんに笑顔で答えた私だけれど、なんだか胸の奥がザワザワしていた。