不良狼の一途な溺愛

「もしかして…蓮君の身に何かあったんじゃないでしょうか…」


ゆ、誘拐とか…。


もし、そうだったら…どうしよう!!


パニックになりかけていると、お兄さんが首を横に振った。


「心配しなくても大丈夫。蓮、きっとコンビニに行ったんだと思うよ。」


「へ?コンビニ…?」


意外な言葉に私はキョトンとしてしまった。


「あの、でも…携帯電話が部屋にあるって……」


「うん。アイツ、コンビニに行く時は携帯を置いていくことがよくあるんだよ。」


「そうなんですか…。」


お兄さんがそう言うなら、コンビニに行ってるのかな…。


「謹慎してるっていう自覚が足りねぇな、アイツは。とにかく、すぐに帰って来るだろうから、柚ちゃんはリビングで待ってて?」


「……はい。」


手招きするお兄さんに頷いた私だけれど、蓮君のことが気になって仕方ない。


謹慎中だし、もしも外出してる姿を学校の先生に見られたりしたら…。


そう思うと、居ても立ってもいられなくなってしまった。



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