不良狼の一途な溺愛
「あの、コンビニって…近くにあるんですか?」
「うん、近いよ。すぐそこのY字路を左に曲がって行くと、大通りにぶつかるんだ。その道の反対側にあるよ。歩いて5分ぐらいかな。」
「そうなんですか…。ありがとうございます!」
「えっ?」
お辞儀をすると、お兄さんは不思議そうな表情で私のすぐ傍にやってきた。
「私、ちょっとコンビニまで行って来ます。申し訳ないんですが、これ…少しの間、預かっていてもらってもいいですか?」
そう言って、差し入れの入っている紙袋を手渡す。
お兄さんはビックリしているようだ。
「えっ、あの…柚ちゃん!?」
「勝手なこと言ってすみません…!蓮君のこと…気になって、このまま待っていても落ち着かないので…。」
もう一度、深く頭を下げた私は、蓮君の家を飛び出してコンビニの方へと走り始めた。
なんか…
嫌な予感がする。
蓮君がコンビニに居ないような、そんな気がする。
どうしてだろう…?
なんで、こんなに…胸が騒つくの?
実際は、コンビニに居るかもしれないじゃない…。
大丈夫…。
落ち着け、私…。